病院長 茶川 治樹
当院は、平成5年8月1日に開院しました。本日から32年目に入ります。当院に継続して勤務され、当院の発展に尽力された職員の方々を、開院記念日に表彰できることを、大変うれしく思います。私自身も、当院に勤務して20年になりました。20年前に保健所医師からリハビリ担当医師として入職しましたが、リハビリ医療のことがほとんど分からない状態でした。そのような中、非常勤の先生方やスタッフの皆さんに支えられながら、ここまで来ることができました。本当にありがとうございました。
また、私がリハビリに興味を持ったのは、保健所医師の時に発達障害の相談をよく受けており、岩国圏域に発達障害の子どもを診る医療機関がなかったことから、発達障害診療を医師会病院で行いたいとの思いもありました。そのことが実現して、療育センターができましたが、現在は後継者探しに奔走しています。
病院全体を見ると、私が入職した20年前は、常勤医師が私を入れて21人いました。しかし、医師の研修医制度の変更などの影響で、次第に大学からの派遣医師数が減少し、一時的には常勤医師が9人となり、経営が厳しい時期がありました。そのような中、病院経営を維持することと、岩国地域に必要な医療を提供できることを目指して、急性期の病床であった本館3階・4階を「地域包括ケア病床」に変更しました。これにより、これまで以上にさまざまな疾患の患者さんに対応できる病院になりました。
今一緒に働いているすべての職員が、患者さんに対して、安全で良質な医療が提供できるように取り組んでいることにより、多くの利用者に満足していただき、岩国医療センターをはじめとする医療機関から、多くの患者さんを紹介していいただけるようになりました。その結果として、経営的にも良い方向に向いてきました。現在、常勤医師数は11人ですが、医師の増員が今後の課題です。さらに、在宅医療に取り組んでいる医療機関も岩国には少なく、当院では、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリの3部門が連携して、これからも積極的に在宅医療に取り組んでいきたいと思っています。昨年からは、岩国市のへき地の医療機関に医師を派遣し、へき地医療にも協力しています。
当院がこれからも健全経営を継続するためには、岩国市からの継続した支援が不可欠です。これからも岩国市と連携して、救急医療・在宅医療・療育医療・へき地医療に取り組むことが必要であると考えています。岩国地域の住民の方々が必要としている医療、他の医療機関では、なかなか取り組ことができないこれらの医療を、当院が提供することにより、当院の基本的な病院目標である「地域貢献」につながっていると考えています。
日本医療機能評価機構の受審が、令和7年6月に決定しました。病院機能評価は、中立的・科学的・専門的な見地から、病院運営を評価するもので、病院の質改善を支援するものです。現在、準備委員会のメンバーで受審準備を進めていますので、皆さんのご協力をよろしくお願いします。
今年度の病院目標「心ひとつに地域貢献〜安心・安全な医療を目指して〜」の気持ちを持って、40周年が迎えられるように、これからも一緒にがんばりましょう。
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