放射線部



岩国市医療センター医師会病院
CT撮影 代表的な検査
 頭部・顔面CT
頭部CT検査は、頭蓋骨や頭蓋骨内の様子を輪切りにして画像を観察することができます。
通常の検査(造影剤を用いない検査)では、1〜2分間で撮影は終了し、患者様に負担の少ない検査です。
脳出血やくも膜下出血を調べるには、欠かせない検査です。
造影剤を用いなくても、頭蓋骨骨折や眼底骨折・副鼻腔炎などの診断にも優れます。
また、造影剤を用いることによって、腫瘍や血管、炎症の範囲も分かりやすくなります。
当院では、骨折の位置や炎症の範囲を分かりやすくする為に、撮影した画像を用いて立体的な画像やいろいろな方向からの画像を作って診断に役立てています。

 

 頭部CT(冠状断面)

 頭部CT(横断面) 
 頭部CT(冠状断面)
(骨条件)

 頭部CT 3D
 
 









 胸部CT
胸部X線撮影では、胸から背中までの情報を1枚の写真で観察するため、病変と心臓などが重なり合ってしまい、病変を見落としてしまう可能性があります。また、背中にあるイボが肺内の腫瘍のように見えたりもします。 胸部CTでは、胸を輪切りの像にすることによって、そのような問題を解決してくれます。
当院では、最新型のCT装置を導入し、10秒程度の呼吸停止で、1mmの厚さの輪切りの像を作ることができます。 これにより、微細な構造を描出することが出来るようになり、小さな肺がん・肺炎・リンパ節・胸椎などの病変がより正確に診断できるようになりました。


            胸部X線写真             胸部CT画像
    
 CT画像(5mm厚)          CT画像(1mm厚)           再構成画像
      





 腹部CT
肝臓や胆嚢、腎臓、膵臓、脾臓など腹部臓器の病変を診断する際に有効です。
検査方法には、造影剤を使用しない単純CT撮影と造影剤を使用する造影CT撮影があり、造影検査では画像上で血管を白く表現することで、よりコントラストの高い鮮明な画像を撮影することが可能です。
当院では、64列マルチスライスCTの導入により、10秒程度(撮影範囲により変化しますが)の息止めで、撮影が可能です。
肝臓(下記画像参照)を例に挙げますと、後期動脈相、門脈優位相、平衡相と従来のCTより詳細に血行動態を追跡でき、より情報量の多い検査が可能です。


腹部単純CT
後期動脈相
門脈優位相
平衡相

            腹部造影CT(後期動脈相)冠状断   腹部造影CT(平衡相)冠状断   
     
 





 脊椎CT
脊椎CT検査は、後縦靭帯の石灰化や骨変形による脊髄の圧迫を診るのに大変適しています。 椎体の骨折や椎体あるいは脊髄腫瘍の診断にも役立ちます。 また、脊髄腔造影(ミエログラフィ)後のCT撮影は、脊柱管内の病態を詳しく把握することができます。
当院では、骨折や靭帯の石灰化や骨変形などを分かりやすくする為に、立体的な画像やいろいろな方向からの画像も作っています。


 脊髄腔造影(ミエログラフィ)後CT 再構成画像
      







 骨CT
骨CT検査では、脳や臓器など人体の内部だけではなく骨折のような骨の状態を見ることができます。
頭部の場合、交通事故や転倒時の打撲によって骨折することがあり、単純X線写真ではわかりにくい部分でも、CTでは比較的簡単に見つけることができます。
肋骨骨折や骨盤骨折などの症例でも、通常検査と同時に骨折の確認もすることができます。
背骨(頚椎・胸椎・腰椎)の場合には圧迫骨折や分離症を、 さらに手首・足首・指先といった小さい骨も細部まで観察できます。
撮影した画像から3D画像を作り、骨折部分を立体的にすることによって手術の手助けができます。


             肋骨CT画像              肋骨 3D画像
    
 手関節 再構成画像
      





 心臓造影CT
H20年3月、新しく導入した64列マルチスライスCTによって心臓検査が行えるようになりました。
当院で行うこの検査は、胸痛・不整脈・狭心症といったような症状から心臓の状態を調べるためのものであり、心臓自体に栄養を送る血管(冠動脈)を撮影するものです。
検査中は造影剤と心電図を使用し、撮影中は約15〜20秒の呼吸停止を行います。
冠動脈は細いため血管を広げる薬を使います。これは舌下(舌と下歯の間)にスプレーにて吹きかけます。
検査後は3D画像を作り、心臓全体を立体的に観察できます。
この検査によって冠動脈の狭窄や血管の走行異常、石灰化を発見することができます。
検査の前後には患者様の血圧を測定し、常に患者さんの状態を把握しています。


             心臓CT                 心臓 3D画像
    




 頭部造影CTA
頭部の血管像の動脈・静脈を撮影します。
方法としては、造影剤(血管を画像上白く描写するためのお薬)を腕の静脈から注入することによって、
血管の内腔を3次元の立体画像として描くことが可能となっています。
MRAより詳細な血管像を撮ることができ、主に動脈瘤や血管狭窄などを調べる為に行われています。検査も10分くらいで終了します。


 単純CT
 造影CT
 3D


             頚部CTA 3D画像          頚部CTA 3D画像
    




 胸部腹部大動脈造影CTA
血管の状態によって胸背部痛や腹部の拍動、腹痛などの症状が見られる場合があります。
この検査は造影剤を使って胸部大動脈と腹部大動脈の形や太さなどを調べます。 実際はこれらの血管から分岐する細い血管も同時に撮影し、末梢の血管まで描出することができます。
撮影時には約10〜20秒間の呼吸停止をします。
撮影した画像から3D画像を作り、立体的に見ることもできます。
検査によって動脈瘤・大動脈解離・石灰化・狭窄などの発見や手術のために必要な血管の位置情報を知ることができます。


 胸部腹部大動脈CTA 3D画像
      






 下肢造影CTA・CTV
下肢とは骨盤部から足までを示し、その範囲の動脈(CTA)と静脈(CTV)を検査します。
間歇性跛行や下肢の痺れ、浮腫、下肢痛などの症状がみらる患者様に対して行います。
検査の内容としては胸部腹部大動脈造影CTAと同じですが、撮影時の呼吸停止は約30秒と長くなります。その後必要であれば静脈撮影を行うため同じように呼吸停止を行います。
撮影した画像から3D画像を作り、立体的に見ることもできます。
動脈の病変として動脈瘤・閉塞性動脈硬化症(ASO)・石灰化・腫瘍などがあり、静脈の病変として深部静脈血栓があります。

             下肢CTA 3D画像          下肢CTA MIP画像
    







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