放射線部



岩国市医療センター医師会病院
MRI撮影 代表的な検査
 頭部MRI・MRA(動脈)
頭部MRI検査は、頭蓋内の縦・横・斜めなどの断面を画像化して、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの頭部の病変の手がかりを調べる検査です。
頭部の血管の様子を詳しく立体画像化したのが頭部MRAです。 画面上で方向を容易に変えて三次元で画像を表示することができ、 くも膜下出血の原因の一つである脳動脈瘤のスクリーニング検査としてよく用いられています。
CT検査では、骨に囲まれた部位では画像の質が低下しますが、MRIでは、骨の影響を受けないので、鮮明な画像を得られます。 また、病変部の位置の診断や病巣の進展範囲の判定に大いに役立ちます。



脂肪抑制T2強調画像

T1強調画像(横断面)
T2強調画像(横断面)
(冠状断面)

MRA(MIP画像)







 腰椎MRI
腰椎MRI検査は、X線撮影のような骨の情報のみではなく、脊髄(神経)や周辺筋肉などの情報も得ることができます。
腰椎は腰の位置にあり、椎骨といわれる骨とその骨と骨の間のクッション代わりとなる椎間板、骨の背中側にある脊髄によって構成されています。
椎間板や腫瘍による脊髄圧排または骨の変形によって腰痛やお尻や下肢の痺れといった症状が出ることがあります。
主な病変として腰椎(髄)腫瘍・圧迫骨折・椎間板ヘルニア・変形性腰椎症・腰椎すべり症・脊椎管狭窄症などがあります。


 圧迫骨折
 脂肪抑制T2強調画像
(矢状断面)

 脂肪抑制T2強調画像
(冠状断面)
 椎間板ヘルニア
 T2強調画像
(矢状断面)

 T1強調画像
(横断面)
















 腹部MRI
腹部MRI検査は超音波検査やCT検査、血液検査などの結果から主治医の判断の元に行い、肝臓・胆のう・膵臓・脾臓(副脾含む)・腎臓・胃・腹部大動脈といった上腹部臓器を調べます。
腹部CT検査と同様に人体の輪切画像を中心に撮影しますが、ほかにも縦・横・斜めといろいろな方向から検査を行います。
特徴としてMRCPという胆のう・胆管・膵管といった水分を多く含んでいる臓器を目的とした撮影法があり、胆石・膵癌などの鑑別診断をします。ただし胆のうは食事により萎縮し評価しにくくなりますので、MRCP検査では絶食が必須です。
検査時は約20秒前後の呼吸停止にて行います。検査前に担当技師より説明があります。
主な病変として肝癌・肝のう胞・肝血管腫・脂肪肝・胆石・膵癌・腎癌などがあります。


 MRCP(thin slice画像)
 MRCP画像

 脂肪抑制T1強調画像(横断面)
 脂肪抑制T1強調画像(横断面)
造影早期
 脂肪抑制T2強調画像(横断面)
造影後期

















 下肢MRA(動脈)・MRV(静脈)
造影MRA(MIP画像)   MRV(MIP画像)
  


●下肢MRA
下肢MRAは、ASO(閉塞性動脈硬化症)の状態を検査するのに優れています。
当院で行っている下肢MRAは、造影剤を用いて動脈を撮影しています。
MRIでは、1回の撮影で最大50cmの範囲しか撮影することができない為、ステッピングという手法を用いて、造影剤を腕の静脈から注入しながら、寝台を移動させながら撮影を行います。


●下肢MRV
下肢MRVは、深部静脈血栓症の状態を検査するのに優れています。
当院で行っている下肢MRVは、造影剤を用いずに下肢の静脈を撮影しています。 動脈に比べ静脈は流れが緩やかで、拍動性がないので、造影剤を用いなくても静脈を描出することができます。










Copyright© ◆岩国市医療センター医師会病院 放射線部 All rights reserved.